■ミャンマーだより<vol.16>■
2023年5月 2日
スクールプロジェクトを進めているミャンマー現地の様子を
月に1度、紹介している『ミャンマーだより』
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今回は「第16回人材育成研修と心の在り方」です。
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ミャンマーでは2021年2月に起きたクーデターに非暴力で抗議するため
CDM(Civil disobedience movementの略)と呼ばれる職務ボイコットが広がりました。
医療従事者に続いて運動に加わったが学校の先生たちで、結果として全教師の3割程度が退職したともいれています。
その補填として教職に就いた人材も多く、ミャンマー国内では教育の質の低下が危惧されています。
今回の研修参加者も3分の2は教職に就いて1年未満の先生方で、
これまでよりも表現力や考える力に力不足が感じられたそうですが、
最後まで諦めることなく全員無事に研修を修了することが出来ました。
研修中、先生方に「あなたにとっての幸せと成功は何ですか?」と問うと
全員が「自分と親、家族の平安と生活するために必要なお金」と答えるのだそう。
「衣食足りて礼節を知る」という言葉がある通り、途上国では当然かもしれませんが
現地で支援活動を続けるARTIC平野さんはこれを否定します。
次世代のミャンマーを背負う人材を育てる教師が同じ考えではこの国は良くならない。
教師自らが人生をどう生きていくか共に学び考えなければならない。
ヒト、モノ、カネと技術移転の国際協力には限界がある。
30年以上支援活動を続けてきた今一番必要に思うことは
日本の精神文化の移転を通じた人材育成だと平野さんは話します。
内面的な成長に人との出会いはとても重要な要素です。
一方で自分と違う考えや価値観を受け入れることは思うほど容易なことではありません。
数十年後、TOOTH FAIRYの支援をきっかけに平野さんの教えを受け継ぐ人材が
新しいミャンマーをリードする存在となってくれることを期待しています。