フェアリーチャレンジキッズプロジェクトフェアリーチャレンジキッズプロジェクト
日本の小児医学の進歩で、小児がんの7割は助かるようになりました。
難病や重い障害を持っている子どもたちのへの治療の進歩も目覚ましいものがあります。
しかし、長く苦しい治療とたたかいながら学び成長する子どもたちやその家族を支える制度や施設、サービスは十分ではありません。
また、重い障害をもつ子どもの在宅療養を支える仕組みづくりもまだまだこれからの課題です。
難病児とその家族が安らぎのある暮らしをするには、日々の生活をサポートする日常的な支援に加え、子どもたちの夢を広げる体験を提供する非日常的な支援が必要とされます。
「フェアリーチャレンジキッズプロジェクト」では、その2つの面から支援をすることで、重い病気と闘う子どもとその家族を応援していきます。
【日本初の小児ホスピス「海のみえる森」】
日本で初めての小児ホスピス「海のみえる森」は、自然あふれる大磯(神奈川県)の、古いながらも上質な建物を改修して立ち上げます。
難病児とその家族の現状と課題
我が国の小児医療は世界最高の水準となりましたが、呼吸器など生命を維持する機器の助けを借りなくては生きられない、重度の障害や難病をもつ子どもが諸外国よりも割合が高く、20万人もいると言われています。
治療が終了した後も、家庭に介護力がないなどの理由で、退院できないケースも多いのが現状です。その結果、つきっきりの介護が必要な重症児を受け入れるNICUは満床状態が続き、大きな問題ともなっています。
在宅療養の推進が必要ですが、対策は進んでおらず、こどもを介護する家族は、365日24時間体制となり、外出もままならず、支援の少なさに体力的にも精神的にも疲弊し孤立しています。
小児ホスピス「海のみえる森」とは
生まれつきの重い障害や治らない病気で生きられる時間が限られた子どもと、心労と看護で疲れ切った家族の休息(レスパイト:~数日間のショートステイ)を提供する施設です。介護で疲弊しきった家族が、安心して心と体を休め、子どもたちは普段できない体験を通し、自分たちの世界を広げていきます。
小児ホスピスは、小児難病に精通した医師、歯科医師、看護師らの管理のもと、チャイルドプレイスペシャリストや多くのボランティアによって運営されます。
1982年、世界で最初のこどものホスピスが英国オックスフォードに設立され、英国には41のホスピスがあり、米国、豪州、独、カナダ、シンガポール、南ア、イタリア、などにも広がり民間の寄付金で運営されていますが、これまで日本にはひとつもありませんでした。
【日本初の小児がん専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス」】
日本で初めての小児がん専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス」は、長期間にわたる闘病を家族ぐるみで支える 「施設」=「家」を新築します。
小児がん治療の現状
1年間に小児がんの発症は2000~3000人。亡くなるこどもは1年間に約900人。治療の中心となる化学療法は長期間の入院生活になります。
病院は闘病の場である同時に、生活の場となります。病院には主に母親が付き添いますが、付き添いが許可されていない病院では、夜もこどもひとりで過ごすしかありません。家族は病院と自宅の二重生活が始まり、バラバラになります。感染予防のため、兄弟や友だちとの面会は許可されなかったり、ガラス越しでの対面になります。化学治療で免疫能が低下し、感染症に対する抵抗力が弱っている小児がん患児が、伝染性のある感染症疾患の小児と同じ病棟に入院しているのが現状で、小児がんに特化した施設はこれまでにひとつもありませんでした。
小児がん専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス」とは
小児がんと診断され治療方針が決まった子どもたちが、感染予防などで様々な配慮が必要な半年から1年程度続く化学治療を受けるための専門施設です。家族が一つ屋根の下で暮らすことができます。法的には「寮」や「ウイークリーマンション」と同じ扱いとなります。
併設するクリニックを中心に、歯科医師による化学療法中における口腔ケアをはじめ、関西一円の医療機関と連携を目指しながら、小児がん治療をトータルにサポートします
小児がん患者とその家族が考えた、「がんと闘う子どもたちが本当に必要とする環境」を実現します。