(2011年6月16日訪問)
(1)所在地 : タウンジー郡区、ニャウンシュエー区、マイタウッ郡村、パーヌェー村
(2)築年 : 2010~2011年度(2009年度事業)
(3)校舎概要:60×30フィート(約長さ18m、奥行き9m)、一階建
-トタン屋根、レンガ壁、コンクリート床
-教室5室、
-水槽(5×5×3.5フィート)1槽
-雨樋
-教職員用 机・椅子3セット
-生徒用 机・椅子15セット
-黒板3枚
(4)2011年度生徒数 :43名
(5)教員数 :3名
(6)学校管理および地域開発委員会 :13名
(7)村の人口 :1025名
(1)南パーヌェー村 :193名
(2)パーヌェーダヌ村 :280名
(3)中パーヌェー村 :189名
(4)北パーヌェー村 :101名
(5)パーヌェーミートゥポッ村: 262名
※上記数字はパーヌェー村地域開発委員会がまとめた数字であり、公式統計ではない。
(8)主な民族 :インダー、ダヌー
村落開発委員会とのインタビュー
Q:日本歯科医師会を知っていますか?
パーヌェー村委員会は日本歯科医師会のことを第1回校舎建設ワークショップに参加した時に知った。その前は、日本財団の支援によりセダナーが南シャン州で校舎建設をしていることをうわさで聞いていたが具体的なことは知らなかった。マイタウッイン村にセダナーが校舎建設をして寄贈したことを知って、ニャウンシュエー区教育事務所経由でセダナーに連絡を取った。
Q:校舎建設に選定された時はどんな気持ちでしたか?
EPD事業対象校に選定されたとの事を聞いて、委員会や先生達を始め村全体の人々は大喜びだった。旧校舎は建設以降57年が経過して、壊れかけているので再建したかったが、村は建設費用が負担できず、困っていた時に丁度セダナーのことを知って連絡を取った。まさかと思いながらも選定されたことが確定した時は言葉が出ないほど大喜びで、選定されたとの連絡があった当日は村中その話題で持ちきりだった。
パーヌェー小学校は1952年に地域住民が校舎を建設して設立。1954年に政府認定小学校となり、校舎を増設し、1958年に中等学校になったが、1962年6月に中等学校をマイタウッ郡村の中央村であるマイタウッ村に移された。その為、パーヌェー村の中等学校は小学校に降格されて以来、今まで小学校のままになっている。元の校舎はトタン屋根の木造施設で、仕切りは竹を編んだものだったが、1995年に村民の募金でコンクリート床に改造された。また、UNDPの支援を受けてコンクリート式トイレを作り、1996年には再びUNDPの援助を受けて仕切りの竹編んだものをベニヤ板に交換した。1997年には校庭内まで水道を引いた。
Q:皆さんは学校での教育に何を望んでいますか?
村の子供達に学校教育受けさせることによって、将来地域や国のために役に立つ人材を育てることが出来、子供達自身も教養のある人になることを望んでいる。また、地元の人間としても村の子供達の教育に深く感心がありそれなりの支援もしている。村で小学校が設立された1952年から現在に至るまで、村出身の生徒たちの中に先生、看護婦或いは助産婦として地域或いは国のために活躍している者もいる。
Q:新しい校舎ができて子供達、或いは先生たちに何か変化はありましたか?
新校舎が出来る前に、使っていた旧校舎は大分古く、屋根からの雨漏れや風が強いとき などに授業を行えないことがあったが、今の新校舎では安全に授業できるようになった ので先生達も生徒達も授業に集中できるようになった。
Q:新校舎の継続的な維持及び管理はどのようにしていますか? ソフトプロジェクトからの収益は上がっていますか? また、それをどのように使う予定ですか?
新校舎の継続的な維持及び管理のためには、EPDのソフトプロジェクト援助金として支援された現金4,300,000チャット(約43万円)でマイクロファイナンス事業を始めているためで、融資した金額の利息で先生達への補助、校舎維持と学校全体の管理をして行く予定である。現在、ソフトプロジェクトの援助金全額4,300,000チャット(約43万円)をマイクロファイナンス事業に投資しており、2011年2月1日より村の農家たちに融資している。融資期間は6ヶ月で、利息は月間3%である。返済の満期になる8月までに、収益の使い道を委員会及び先生達で決める予定。今のところ、優先として日本歯科医師会の支援で建設した校舎に校区住民の協力で増設した教職員室の窓に鉄格子を取り付ける予定で利息が余った場合資本金に追加投資をする予定である。
Q:ソフトプロジェクトは順調に進んでいますか? ソフトプロジェクトのマイクロファイナンスを受けている地元の人々はそのお金をどのように使っていますか? マイクロファイナンスは生活や仕事に役に立っていますか?
今のところソフトプロジェクトであるマイクロファイナンス事業も順調に進んでいる。村の主な産業は農業であり、米、サトウキビ、ともろこしとトマト栽培が中心である。マイクロファイナンス事業も農民向けに融資している。融資を受けている農家達も自分たちの農業に資本金が増えることになったので、資金の循環が良くなり、生活や経済に役立てている。もし、返済期までに現在融資した農家に問題があったとしても村民のほとんどは親戚又は、親戚に近い関係なので委員会が責任を持って解決する。
Q:その他の話は?
村には小学校しかないので、小学校を卒業して進学する生徒達は高等学校があるマイタウッ村まで(片道2.5マイル)通学している。現在のところ、マイタウッ高等学校に50名ほどの生徒が通っている。
地域の保健の為、マイタウッ村に村落保健所があり、パーヌェー村には助産婦一人いる。村民として軽い病気(熱や風邪)などの場合、村の助産婦が処方してくれているが、重病などの場合、マイタウッの村落保健所又はニャウンシュエーの病院に通うことになっている。歯の健康に関しては、地域の人々として知識が少なく、適当な漢方薬や植物などで解決している。
最後に、新校舎を建設してくれた、日本財団及び日本歯科医師会、セダナーのことをとても感謝している。その恩返しとして、校舎をきれいに大切に利用し、継続的に維持して長年利用できるよう管理していくことを約束してくれた。
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