10月24日に奈良小児在宅医療ネットワーク主催で行われた「難病や障害をもつ子どもとその家族への支援を考える交流セミナー・奈良に親子レスパイトハウスに参加してきました。レスパイトとは「立ち止まり、一時的休息」を意味します。難病や重い病気を持つ子どもたちが自宅のような環境でゆっくりくつろぎ、家族も一緒に宿泊できる場所の開設を奈良小児在宅医療ネットワークは目指しています。その場所がとてもユニークでなんと、東大寺の宿坊華厳寮です。
難病のお子さんと体験宿泊をしたお母さんは「看護は楽しく幸せな日々でもありますが、常に命と向き合う戦場のような日々でもあります。自分が倒れたら誰がこの子を見てくれるのだろうと不安とも戦いながら毎日を過ごしております。華厳寮での体験は魂が満たされるような不思議な気持ちでした。そして自分が倒れても息子がやっていける環境があると思い安心しました。」とお話されました。
小児緩和ケアはWHOでの定義(2002)で、「身体、精神、スピリット(霊性)への積極的かつ全人的なケアであり、家族へのケアを含まれる」といいます。東大寺というお寺での特別な雰囲気での経験は、スピリットのケアが行われたといえます。
日本には小児のためのホスピスやレスパイト施設はありません。
一日でも早く、子どもたちはもちろん、看護にかかりきりの家族、甘えるのを我慢している兄弟が身も心も休息できる場所が日本に出来るように協力していきたいと思っております。