「ミャンマー辺境地帯を行く」その5―民主化されても現実は厳しい―

前回までカレニーの政府側と武装勢力側の関係を記した。

州首相と武装勢力の実質No.2の第一幹事長が隣席し、我々への歓迎会や政府ゲストハウスの提供、政府側にある国内避難民の現場視察への第一幹事長の同行など、信頼醸成は表面的には一歩一歩前進していくように見えるが、60年以上にわたる血みどろの戦いで沁み込んだお互いの不信感がそんな簡単に払拭されるわけがない。

我々一行に同行してくれた通訳の某君は、今回、我々と同行したことで秘密警察からの嫌がらせを受けた。政府側からは武装勢力のスパイと思われ、武装勢力側からは政府側のスパイと思われ、ヤンゴンで何をしているか色々な質問を受けたという。

某君は、軍政時代にミャンマーを脱出。日本で20年間も困難な生活を続け、今回の民主化を機に帰国して我々の仕事を手伝ってくれている。私は在日のミャンマー人に、ミャンマーの逆戻りはないと断言の上「祖国のために働く機会がきた。早く帰国しては」と勧めているが、彼らが今まだ半信半疑でいる理由が今回の某君の体験で理解することができた。

テイン・セイン大統領の民主化への努力は、国際社会で急速に信頼を得ているが、実際の市民の生活の中にはまだ大きなギャップのあることも確かである。某君に嫌な思いをさせて申し訳ないと同時に、真の民主化の実現には、民主化を要求し続けた我々日本人にもその責任の一端があることを痛感させられた。

 

26日 テイン・セイン大統領.jpg
テイン・セイン大統領の民主化への努力に敬意を表し
我々もその責任の一端を担う努力を続けたいと思う
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